31/3/2019

Alice Sara Ottさんのリサイタルへ

La Seine Musicale, 30 mars 2019アリス=紗良・オットさんの演奏を聴きにLa Seine Musicaleへ。
ここはブローニュのセーヌ川の中洲にある2017年にできた新しいホールで、まだ微かに新築のような木の香がします。

プログラムが一部変更になり休憩なしの1時間に短縮されたので体調かも?と心配でしたが、開始前の英語でのMCは軽妙なジョークを交えながら楽しげで。
演奏が始まると杞憂はけし飛び、すぐに引き込まれました。
先日発表された多発性硬化症の影響など微塵も感じさせない、滑らかで、ピアノの多彩な音色を引き出す幸せな演奏。

最新作のNightfallの収録曲のうちラヴェルがショパンに変更に。
ラヴェルも聴きたかったけれど、ショパンへの変更が奏功して盛り上がる流れができた気がします。
1時間の旅の始まりは心地よいドビュッシーから、独特なサティを経て、そして最後はつい羽生結弦選手の姿が目に浮かぶバラードで徐々に高まったエモーションが炸裂。
弾き終わったアリスさんの眼から涙が溢れました。(ヤバい、もらい泣きしそうになる)

アンコールはショパンのワルツ イ短調を弾いてくれました。


終演後、観客がホールから出るのを待って最後にロビーに降りると黒山の人だかりが。
見るとアリスさんがサイン会をしてらした。ちょっと日本みたい!

妻が「サインしてもらおうよ」「日本語で話したらいいよ」と。
「えっ、無理」
妻によると、以前妻が好きなバリトンのマティアス・ゲルネのコンサートに行った際、遠慮する妻をよそに僕が、
「うちの奥さん泣かせやがってw(もちろんジョークですよ)」とか話しかけて写真もお願いして一緒に撮らせてもらったのだそうで。
そんなこと完全に忘れてたけど、確かにファンだとコンサート観ただけで満足しちゃうし話しかけるなんてムリってなることもありますよね。

でもサインしてもらうのは遠慮して帰路につきました。妻の前でデレデレになるわけにはいかないので。
という冗談はさておき、もう終演からかなりの時間が経っているのにまだ沢山のお客さんが待っていて。
しかも明日もピアノコンチェルト弾くのに、今夜は夏時間への切り替えで睡眠時間が1時間減っちゃうんです。
そんな余計なこと考えたらこれ以上列を増やす気になれなかったという。
でももちろんCD買ったり感想や謝意を伝えるのは良いことだと思います。

アリスさんのCDや動画での演奏を聴くといろんな意味でドキドキさせられるんですが、それら全てを含めて個性だし、やはり心を揺さぶられる何かがあるので貴重で稀有な演奏家だと思うし、病気が彼女の表現活動を妨げないように願うばかりです。


余談ですがもうすぐ消滅するGoogle+に5年前に貼った動画
コメント欄は「伝統あるドイツグラモフォンが何てことだ」みたいに荒れていたものですが、今までとは違うことをやって炎上するのはアーティストには良いサインです、きっと。