21/3/2024

怪力の人に車椅子ごと持ち上げてもらった話

以前モンマルトルの小さなライブハウスに友人のコンサートを観に行ったら、店内に階段が10段くらいあったんです。
迷惑かけたくないので帰ろうと思ったら、
「大丈夫だよ」とアフリカ系の巨漢係員さんが車イスの構造を確認するや後ろからヒョイっと一人で持ち上げ、辞退する暇もなくなんと前向きで階段を登ったんです!
僕は痩せてはいるけど身長170台後半でしかも車イスごとだから決して軽くはないのに…僕も奥さんも招いてくれた友人もビックリ仰天、凄すぎてもう笑うしかありませんでした。
その圧倒的な個人技に敬意と感謝を込めて入場料より多いチップを差し上げました。

係員さんには自信があり、おそらく必要があれば日常的にこういう対応をしているのでしょう。お店にとって工事するより彼の筋肉で解決する方が合理的なのかもしれません。
もちろんリスクがあるから全くオススメは出来ないのですが、ひとつの参考にならない海外事例としてお納めください。

これはあまりにも特殊な事例なので毒にも薬にもなりませんが、もしも階段を踏み外したらお互い怪我する可能性はあったでしょう。例えそうなったとしても文句は言わない覚悟が助けてもらう者の嗜みとして必要です。そのようなリスクは個人的にはなるべくとりたくはありませんし、他者に負わせるべきでもありません。大袈裟に言えば、このとき束の間、巨漢係員さんに命を預けました。

助ける側の人は出来る自信が持てなければ断るのはとても正しいと思います。
イメージできないことは実現できないっていうアレです(ちょっとちがうw)
なので、そのようなリスクを冒す必要性がそもそも無いのが理想的です。

なんでこの話を思い出したかと云うと、車椅子で映画館に行って車椅子席ではなく、映画館の人の介助が必要な段差のある席で鑑賞したことで映画館から他の劇場を勧められた話が炎上したからで、怒っている意見も擁護している意見もどちらもわかるので辛いものがあります。騒ぎを起こした当事者には全く共感はでいないのが正直なところですが。

とはいえバリアフリー化の歴史って、賢い役人が自発的に考えて提供してきたとかではなく、障害者がときに過激なアクションで問題提起することでやっと実現されてきたんですよね。
なので是非はともかく、このような議論が建設的に活かされていくことを願います。

自分も含めほとんどの車椅子の人はなるべく迷惑をかけたくないって思いながら生きてます。
個人差こそあれ誰でも歳を取ったり怪我したりすれば似たような状況になっていきますから、障害者嫌悪に陥るよりもバリアフリー化を進める方が大勢がハッピーになれることでしょう。

  

Comments (0) パリ 日常の疑問 Tags: — Kyo ICHIDA @ 2024/03/21 22:43