この大会で (特にブラジル戦で) 集大成的に得意技を披露してきたジダンですが、最後の最後にかつて5試合の出場停止を喰らったこともある必殺技まで出すとは。
ショックでゆうべはなかなか眠れませんでした。
一夜明けて今日の午後フランス代表が帰国しました。エリゼ宮でシラク大統領に言葉をかけられたジダンが少し微笑んだのをテレビで見てなんだかちょっと安心しました。
代表への感謝を表すためコンコルド広場に詰めかけた数千の群衆を前に、ホテル・クリヨンのバルコニーから笑顔で手を振り応えるレ・ブルー (フランス代表) の選手たち、そして群衆に向かって申し訳なさそうに頭を下げるジダン。
PKを失敗したトレゼゲが涙を流し、チームメートたちが慰める姿も印象的でした。
敗戦しても暖かく迎えてくれる人々を目の前に、彼らに勝利をプレゼントできなかった悲しみが込み上げたのかもしれません。
(書き終えないうちに1日経ってしまいました)
正直なところ、当のフランス人すら決勝まで行けるとは期待していなかった今大会。
代表から引退していたジダンが復帰してやっとワールドカップ予選を突破したわけですが、ジダン不在の頃は正直トホホな戦いぶりでした。
サッカーはもちろん団体競技だけれどあらゆる意味で、ジダンがいなければ団結も、決勝進出も、そして数日の間8年前の歓喜の再現を夢見ることもできなかったでしょう。
ただもちろん今問題になっているのは結果的にPK戦で決勝に敗れたことよりも、レ・ブルーのキャプテンであり国民的英雄のジダンによる暴力行為であることは言うまでもありません。
ジダンに対してはやはりさまざまな声がありますが、概ね好意的です。やはり愛される人柄ゆえでしょう。
ただ、決勝にならないとワールドカップを見ない人たちや子供を持つ親などもちろん怒っている人も少なくありません。
人々はジダンに多くを求め過ぎたのではないでしょうか?
サッカーにミスはつきものとよく言われます。プレイヤーも審判もミスをするものだという前提のスポーツ。
ジダンとて生身の人間、間違いもするもの。
確かに国民的英雄にはその振る舞いに並外れた重い責任が求められます。
彼はどんなに有名になっても変わらなかったし、だからこそ人々はそんな彼を愛しました。善くも悪くも、彼は変わらなかった。
極端に言えば皆が勝手に彼に期待し、自分には出来ないことを求め、親自身が教育すべきことまで彼に託すようになっていたに過ぎません。けれど、彼にはそんな期待よりも、そしてサッカーよりも守るべきものがあった。
共に戦った選手たち、そして大統領や一部の仏紙が擁護していますが、やはり許されるべきだと思います。いずれにせよ彼はこの先ずっと罰を受けながら生きるのですから。
もっとも個人的には許すというより、責める気もありません。他のファンと同様、今まで冒険を見せてくれたことに感謝します。
それにしてもマテラッツィはどうやってジダンの瞬間湯沸かしスイッチを入れたのでしょう?
試合終了から24時間経たないうちにアルノーがThe Guardian紙が伝えた問題のやりとりを送ってきてくれました。ただ、現時点で確かなことはまだ判りません。事実なら、全イスラム教徒をも敵に回しかねない侮辱的な内容ですが…。
いずれジダンが内容を明かしてもマテラッツィは否定するでしょう。真実を知っているのは当事者2人だけ。
ただひとつ確かなのはジダンにとって引退試合でもあるワールドカップの決勝戦で何もかも棒にふらせる程の侮辱があった、ということです。何事も、原因があっての結果。
言うまでもなく暴力による報復は決して許されることではありませんが、ことばの暴力がときに頭突きよりもはるかに深く人を傷つけることは誰もが知るべきです。心の傷は簡単には癒えないのですから。そして試合に於けることばの暴力は表面化しにくいもの。このことについて考える機会を無駄にするべきではないでしょう。
親は子どもに「決して言ってはいけないことがあるんだよ」とことばの暴力についても教えるべきときです。
ことばの駆け引きなんて当たり前、相手を怒らせてなんぼのもの、してやったり!というのなら、スポーツマン自身がスポーツの価値を貶めるようなものではないでしょうか。
対戦相手へのリスペクトを求めるなんてあまっちょろい幻想?
フェアプレーで負けるくらいなら汚い勝利を選ぶ?
Si, enculo!
イタリアでは審判が見ていないところで脚を踏んだり汚いプレーが当たり前なことも、ムッソリーニ政権下での初優勝が不正だったことも有名な話ですが、何をしてでも勝ってしまえば星は増え、今や4つ。
今までイタリアには何の特別な感情もありませんでしたが、正直ちょっと見方が変わりました。今後の国際大会ではイタリア以外を応援したいと思います。
まぁ口が悪かったりやり方が汚いのはもちろんイタリア人だけの専売特許ではありませんし、マテラッツィの過ちも許されるべきですが、それは罪を認め悔いればの話。
それにしても最後にあまりにも波乱があったので他のことは全て忘れそうになった今大会。とんでもないことが起こってしまうのもワールドカップの魅力かもしれませんね!(と、むりやり明るく締めくくって日常へ復帰宣言.)
Je suis d’accord avec toi !!
Je suis tout a fait d’accord avec vous!!
C’est exactement ce que je sentais et pensais.
Maintenant, je me sens delivree…
Merci de tout mon cœur…
いやぁ〜、ようやく仕事がちょっと落ち着きますた… (^^;
という訳で、ちょっと古いこの件についてやっと書き込み。
僕はこの件についての感想(そう、感想だ)は、
単純に「ジダンの負け」と思う。
問題は、「何を言ったか?」では無く、「何をしたか?」じゃないかと。
で、“理由はともあれ暴力はダメです”…と。
だから実際にレッドカードになったし、退場は妥当と思う。
マテラッティの発言は、「娼婦の姉弟!」(英語ならマザー・ファ○○ー」かな?)というのが、
少なくとも僕が聞いた中での最新の情報だけど、
(イタリア語の「娼婦」の発音の最後が「〜テロ」で終わるので、
ジダンが単語の頭を聞き取れず勘違いしたのでは?とする報道も…)
じゃぁ、なんでマテラッティがそんなことをジダンに言ったかと言うと、
プレー中に(どうやら)ジダンのシャツをつかんだマテラッティに対して、
「そんなにオレのシャツが欲しいなら、試合後にやるから」と言ったとのこと、
それはそれでプロ選手としてはバカにされた発言だなぁ〜とも思うし、
それでもマテラッティの発言はマズいだろ…と思うけど、
マテラッティは暴力行為に及ばなかった。
また、仮に発言内容が両方とも本当だとすると、
ジダンがマテラッティを小馬鹿にするのは問題無いけど、
マテラッティの発言は暴力行為に及んでも情状酌量の余地があるほど、
ひどいんだろうか?
どうも、日本人の僕には「おまえのかぁ〜ちゃんデベソ!」の、
相当な下品バージョンには聞こえても、
いわゆる人種差別的発言には聞こえないんで、ピンと来ない。
今回のやりとりを見てると、
個人的にはジダンが短気だった….という風にしか見えない。
W杯の決勝戦で自分の引退試合….ということと引き換えにしても、
母と姉を侮辱したことが許せなくて暴力行為に及んだ….と、
本人が言うような“冷静”な判断があった気がまったくしない。
少なくとも、あの映像を見る限りでは…。
どんなに相手が許せなくても、大人なら暴力行為には及ばないと思う。
いや、仮にその冷静な判断があったとしても、
やっぱり暴力行為は答えとして無しだろうと思う。
そこが、今回凄く良いプレーを見せてきたジダンに対して失望するところ。
これはkyo君が言うように、ジダンに求めすぎているという風には思わない。
単純に社会人としてどうよ?ってレベルで、ジダンが避難されている気がする。
もしイチローや松井が差別的発言をされて、その相手を殴ったら、
やっぱり相当失望すると思う…。
(差別的発言に対しての、日本人の感じ方は置いておいて)
また、試合直後に両者ともコメントを出さなかったことは不思議だけど、
もし、明らかに避難されるべき発言をマテラッティがしたのなら、
なぜジダンが自分が聞いた言葉を言わないんだろう?と、普通に思う。
だから、実は対したことを言われて無いのにカッと来たんじゃ無いかと勘ぐってしまう。
結局のところ、
彼らが何を言い合ったのかはたぶん公にならないかもしれないし、
外野がどんな想像をしても意味が無いと思う。
だから単純に、手を出してしまったジダンの負け。
ここ数日、この件の記事を見てないけど、
マテラッティは、既にジダンに発言について謝罪している….と、記事で見た。
もし、本当なら、ジダンもこの件については引き際と思うんだけど、
そういうニュースは見て来ないなぁ。
ここでジダンがマテラッティを許す(謝罪した相手という意味で)なら、
大人な印象が上がると思うんだけどなぁ。
お疲れ!
うん、「理由はともあれ暴力はダメ」は同感なんだけど論旨にズレがあるようなんでなるべくか簡単に。
背景にいくつかの全く別な問題があるので分けます。
まず、試合後にユニフォームを交換するのは選手同士よくやること。別に「プロ選手としてバカにされた発言」ではないよ。
シャツを掴む反則に対し、ジダンは怒る代わりに「ユニフォームを引っ張るなよ、欲しければ試合後にやるから」(実際には「交換しよう」という表現らしい) というジョークで返してる。映像を見ると笑顔だしマテラッティが当初言っていた「不遜な態度」には全く見えないよね。
これは僕の私見だけど、マテラッティは自分の反則をうまいジョークでたしなめられたんで悔しくなっちゃったんじゃないかな。それで憎まれ口を叩いた。
では発言の内容 (ことばの暴力) について。
まず聞き間違え説は、ジダンはユベントスに5年いたしどうかな??
読唇術はそれを間違える可能性あると思うけど。
> 実はたいしたことを言われて無いのにカッと来たんじゃ無いかと勘ぐってしまう。
だったらマテラッティがとっくに自分が何を言ったか公表してるはず。自分でも公表できないようなことを言ったと自覚してるんだよね。
2人とも発言の詳細を公表しないのは、放送禁止用語なのはもちろん「公表するとシャレにならない」内容だからでしょう。
折しもサッカーでの人種差別や侮辱表現が問題になっている社会的背景もあるし。
移民社会で彼らが誇りを持って護るもの、祖国や家族、宗教等の出自について馬鹿にされたときのリアクションは単一民族国家日本からはちょっと理解し難いものがあるかもしれません。
ここで例え話をひとつ。
日本人がどこか多民族の国へ旅行して例えばマグレブ系の移民に「おまえのかぁ〜ちゃんデベソ!」に類することを言ったとしよう。(あくまで例え、ね)
場合によっては肉にされるよ。そこで「これは日本では子どもの他愛ないことばで…」「理由はともあれ暴力はダメ」とか言っても日本の常識は通用しないわけで。(^_^;)
話それたけど自分のことを言われるのはまだ耐えられるんだよね。自分が殴られた方がマシなことばだった、というのは心情として理解できる。
僕もレッドカードは出て当然だったと思うよ。ただFIFAは自らビデオ判定を禁止してるのでモメてる訳で、また別の話。
個人的にはこれをきっかけにビデオが導入されるといいな、と思います。だって審判のミスで重要な試合の結果が変わっちゃうのは嫌だしさぁ。
あと、求め過ぎの件について。
極端に言えばジダンに頭突きは漏れなくついてくるオマケ (嬉しくないけど) というか消費税みたいなもの。99回良いプレーしたら1回退場、みたいな。(爆)
それが大人として、社会人としてどうか?というのは解るけど、それがジダンだから。
決して暴力を肯定する気はないけど、サッカーってある意味まだまだ下品なスポーツで、そういった熱さと切り離せないのかもね…。
というわけで結局長くなったけど、何を言われたのだとしても暴力は許されない。明快だよね。これを機にことばの暴力についても無くす努力が為されるといいんだけど、難しいことは確か。
個人的には今回の件が少しでもサッカー改革に繋がるといいな、と思ってます。
なるほどねぇ。
ジダンが冗談まじりにシャツの件を話したとすると、
そりゃ、マテラッティは言い過ぎだよねぇ….。
ちなみにシャツの交換習慣は、さすがにサッカー知らないオレでも知ってるけど(笑)、
マテラッティ側の言葉のニュアンスでは、
「オレのシャツがそんなに欲しけりゃくれてやる」って感じだったからね。
随分印象が違う… (^^;
例えばアメリカで「マザー・○○○○ー」(←伏せ字が多くなってる(笑))とかのたまったら、
ヘタすりゃ撃たれかねないのも、ピンと来なくても情報としては知ってる。
ただね、
やっぱりジダンにはそれをやって欲しくなかった…ってことかな。
個人的には、「あぁ〜あ、ここでやっちゃったよ….」って感じ。
そのくらい簡単にキレる言葉であったということだとしても….。
まぁ、それがジダンの有名なオプションサービスなら、
ジダンのサッカーを見るための契約書を、よく読まなかった僕のミスか…(笑)
もっとも、サッカー大好きという訳でも無い僕でも、
今回のW杯の決勝戦は、ジダンのおかげで一生忘れないな….(笑)
サッカーでビデオ判定って難しそうだよねぇ。
それ、やって欲しい局面も結構あるけど、
どこまでビデオに頼るかという線引きが難しそうだね。
ヘタすると、ビデオ判定によるロスタイムが30分……とかね(笑)
もし仏vs伊の決勝戦でビデオ判定があったら、
ジダンの1点目のペナルティキックは、無かったことになっちゃうし(笑)
個人的にサッカーが下品だなぁ〜と思うのは、
強引なプレイで「隠れて汚ねぇなぁ…」みたいに思うこともあるけど、
それよりもむしろ、僕が一番「なんだかなぁ〜」と思うのが、
もう、誰も彼もとにかく選手全員が、
たいした接触も無い(或は触れてもいない)のに、
ひどくオーバーアクションでコケて、やられました!って顔して、反則貰おうとしてる様。
シロート目で見ると、いかにPエリア内で反則貰えるかどうか…ってところで、
戦っているようにも見えるし….。
(まぁ、これは当たり前か….)
もしかしたら僕が知らないだけで、
「相手チームの選手と少しでも触れた(或は触れたように見える)ときは、
オーバーなリアクションとともに、痛がって倒れないとならない」
というルールでもあるの?…とすら思ってしまう。
他のスポーツでも見えない反則やズルっていくらでもあると思うけど、
これほどあからさまにやってるスポーツってあるのかな?
(他のラグビーやホッケーやバスケなんか、サッカーと同じように相手ゴールを目指す競技では、
あまりそういう場面を見た印象が無い….。或はあまり見ないからかもしれないけど)
まぁ、歴史があって人気のあるスポーツだし、W杯なんて代理戦争みたいな面もあるから、
プレーヤーもサポーターも、とにかく勝ちたい!という気持ちでOKなのかもね。
サッカー知らない僕が言うことじゃ無いし、嫌なら見るな….って話か。
> やっぱりジダンにはそれをやって欲しくなかった…
うん、世界中の誰もがそう思ってるよね、イタリア人以外は (爆)
> ヘタすると、ビデオ判定によるロスタイムが30分……
そう、まさにそれを懸念してビデオ導入に踏み切れないんだよね。
テレビの放送時間に収まらなくなると困るという (笑)
あと、審判の権威が下がるという理由も。それはビデオを使う局面の判断を審判にさせればいい、と思うんだけどね。
まぁ今どきのHDベースのレコーダーならテープに比べて格段に速いし、その後何十年も判定で遺恨を残すよりは、ねぇ。
> もし仏vs伊の決勝戦でビデオ判定があったら、
> ジダンの1点目のペナルティキックは、無かったことになっちゃうし(笑)
その代わり2度目にマルーダが倒されたのは本当はPKだったね。
とにかくいろんなことが無かったことになっちゃうよ (笑)
イタリア対オーストラリアのPKも、前回大会の隣国の好成績も、日本の初勝利も別の試合になってたかも。
あと無かったことになってるけどあった、というのも。
そんなこんなで「やっぱり試合結果をコントロールしたいのか」という疑惑持たれちゃうんだよね (笑)
> たいした接触も無い(或は触れてもいない)のに、
> ひどくオーバーアクションでコケて、やられました!って顔して、反則貰おうとしてる様。
ほんと、あれ女々しくて最悪だよね。激しく同意。
いくら厳しくカード出してもなくならないしね。
判定が試合によってまちまちで、鬼のように正確でないからかも。
ちなみに前回大会で日本は一切ファールをアピールしたり判定に文句をつけなかったんだけど、そしたら見事にペナルティーエリアで倒されても一度もファールを取ってもらえなかったという (爆)
思うにビデオ判定導入すれば減るかな?シミュレーションは自分で見て恥ずかしいだろうし。
まぁサッカーのルールはシンプルだけど改定を繰返してるからこの先また変わるかもね。昔よりいろんなファールを取るようになってきている弊害かも。
普通のサッカーと格闘サッカーに別れたりして (笑)
あれから1年以上経ちましたがマテラッツィがジダンに言った内容を告白しました。
«Je préfère ta putain de sœur»
人種差別発言だったのではとの疑いを晴らすために打ち明けたようです。
でもputainはヤバい、これは怒るよ・・・。
http://www.lequipe.fr/Football/20070818_155841Dev.html