フンだら大変!パリの落し物

パリでは犬を連れた人をよく見かけます。
デパートやレストランにも入れますし、
昔はタクシーの助手席に運転手さんの飼い犬が座っている、
ということもそう珍しくはありませんでした。

レストランで飼い主が食事する間、
足元でおとなしくじっとしている犬を見ると、躾のよさに感心してしまいます。

パリは犬にとって住み良い街のようです。
というよりも、飼い主にとって都合の良い街と言うべきかも?
なにしろウンチさせっぱなしで拾わないのですから。

注意しないで歩いていてうっかり踏んづけてしまい、
「くそっ!」と思わず叫ぶ、なんてことはよくあるはなし。

というわけで(昔ほどではないにしても)、
犬の落とし物はパリ名物のひとつです。

もっとも、この困った落とし物で
滑って転んでケガをして病院に運ばれる人の数は、
パリ市内だけで年間600人にものぼるというからコワいです。

パリ市は毎年200万ユーロもの税金を費やして
あの手この手の対策を講じていますが、中には笑えるものもありました。

例えば地面に書かれた「ここでさせてね」マーク。
さすがにそう都合よくそこでもよおしてはくれませんし、
当の犬にはわからないですよね。

それから犬の糞を掃除するバイクというのもありました。
掃除機のようなメカが付いたバイクで、いでたちはカッコいいのですが、
颯爽とやってきてウンチを吸い込むというあまりのギャップに、
初めて遭遇したときは目が点になりました。

本来はもちろん飼い主が始末するのが原則で、
現在の市長になって罰則(約2万円の罰金)も設けられているのですが、
なかなか長年の悪い習慣は直らないようです。

この問題、車いすユーザーにはなお深刻です。
だって靴で踏むのも嫌なのに、タイヤに付こうものなら手にも付きかねません!
目線が地面に近いので事前に見つけやすいのがせめてもの救いでしょうか。
まるで地雷を避けるがごとく真剣になってしまうというわけです!

2004/05/05