Internet World 2000 〜 白熱のドライブ

朝9時にロビーで待ち合わせ、近くのスターバックスにてスコーンとマフィンで朝食。しかし既に食べきれない量。というか例によってカフェラテが飲みきれない大きさ。
今日は今回の視察旅行の主目的の一つである Internet World 2000 へ。会場に近づくと路上でおじさん達が車に向かってしきりに黄色い旗を振ってくる。これは駐車場が空いてますという呼び込みだそうだ。料金は会場に近づくほどじりじり高くなるらしい。

LAのコンベンションセンター.映画『フェイス・オフ』で爆弾がしかけられた場所!
会場はたいへんな賑わいで活気に満ちている。Samさんいわく
「去年はなんだか元気がなくてしぼんでいっちゃうのかなーって感じだったけど今年は凄いね」
良い年に連れてきていただいたらしい。 日本のこういったエキスポ等とは違って女性の割合が非常に多いのも印象的だった。 会場もとても広く、人で溢れていてひと通り見て廻るだけでもたいへんだ。
大きなブースを構える大手はもちろんのこと、それ以上にたくさんの名前を聞いたことのないサービス系サイトの出展が目立っていた。ブースも様々で面白く、檻の中で相撲をとってたり戦車が飾ってあったりと、一見しただけでは内容が判らないものも多い。以下はほんの一例。
SSLを40倍高速にするハードウェアというのがあり、Samさんがセキュリティについてつっこむと「IPアドレスを持たないので絶対ハックされない」との答え。(なるほど。しかし、どうやって!?)
ロドさんはサーバを監視してリモートでリスタートできるツール等を面白がっていた。来年はAVIDAkamaiと並んでロドさんの会社が出展していたりすると楽しい。
その他、気になるツールのデモを見学。Macromedia Generator は便利そうで、使ってみたいと思わせた。さすがにどのデモンストレーターも上手くなかなかに説得力がある。これはテクニック云々ではなく喋り方・話術によるところが大きいんだなと感心。 Adobeでは"LiveMotion"という聞き慣れないソフトが紹介されていた。へぇ、AdobeがFlashに対抗するツールを出したのかぁと見ていたら書き出しフォーマットはしっかり.swfだった (他にAnimation GIFやPNG等)。そういえばデモンストレーター達はみな.GIFを「ジフ」ではなく「ギフ」と発音していたのも意外な新発見。[註1]
AppleはQuickTimeストリーミングに賭ける意気込みが伝わってきた。デモの終わりにプレゼンターがMacOS XのTシャツを2〜3枚投げるとSamさんが素早い身のこなしで1枚キャッチして「ほい」とプレゼントしてくださった! それは一瞬の出来事だったけれど、いろいろな意味で感動しました!

明日もあるのでと午後3時頃会場を後にし、一路ハリウッドのユニバーサルスタジオへ。SAM'S TOURにはエンターテイメント系視察もやはり欠かせない。
車椅子マークの駐車スペースはゲートのすぐそばにある。本来はゲートから駐車場までかなり長い距離を10分ちょっとは歩かなくてはならないそうだ。
アメリカらしくホットドッグをパクつく。モールに流れるBGMがロッド・スチュワートの"Maggie May 試聴"になり軽い概視感。
もうすぐトラムツアーの最終便だと聞いてSamさん走る。ユニバーサルスタジオ内のどこに何があるか既に熟知しているSamさんは、自分が楽しむためよりも僕達を楽しませるために頑張ってくださるサービス精神の人なのだ。 トラムツアーはただスタジオ内を見学するだけでなく、途中にいろいろ仕掛けがあってとても楽しかった。人を楽しませることにかけてはこちらの人は本当にうまい。また、楽しむことを追求するのがアメリカ人の国民性のようにも思える。
ところで僕はジェットコースターが、わびすけは高いところから落ちる系の絶叫マシンが大の苦手だ。子どもの頃はジェットコースターなんか大好きだったのだがパリの移動遊園地で痛い目に合って以来すっかり苦手になってしまった。安全性への信頼が揺らぐと恐怖が倍加する。幸いなことにここにはそういったヤバい系アトラクションは見当たらない。
ジュラシック・パーク、このくらいはまだ大丈夫 (落ちるのでわびすけは絶叫)。周囲が水だとなんだか安心。着水の瞬間盛大な水柱が立ってずぶ濡れになるので雨合羽のレンタルもある。しっかり雨合羽を着込んだスペイン人達は水をかぶった僕らを見て得意げだ。ええぃ軟弱者どもめ!これは水浴びするためのアトラクションなのだ (気のせい?)。乾燥してるからすぐ乾くし (負け惜しみ?)。
バック・トゥ・ザ・フューチャー・ライド、こういうスターツアーズ系のアトラクションは好きだ。と思ってたら何か勝手が違う。乗り物の動きが激し過ぎて頭がガックンガックンしちゃうのだ。ムチウチにでもなっちゃいかんとSamさんが横から頭を押さえてくださるも、その状況はほとんどギャグである。傍から見たらかなり笑える光景だったと思う。
ちなみにユニバーサルスタジオは高低差が大きいんだけど、エレベーターが随所にあるのと専用バンとでどこも車椅子でアクセスできるよう工夫されていた。

日が暮れ始める頃ユニバーサルスタジオを後にしてドライブ。ラジオからニール・ヤングの"Heart of Gold 試聴"がかかるとSamさん「くぅ〜」と喜ぶ。
着いたところはトイザラス。ブランド物には興味を示さない僕達が物欲を発揮するとSamさん満足そう。愛すべきたわいなきものたちを大量に救出。
折からの睡眠不足のところ車椅子をたくさん押してくださったロドさんが後部座席で深い眠りに落ちた頃、レストラン CHAYA VENICE に到着。ここでSamさんが「ん??」という表情を。実は CHAYA VENICE ではなくここからはかなり遠い CHAYA BRASSERIE に予約を入れてしまっていたことが判明。目の前の CHAYA VENICE は既に満席で小一時間はかかるという。予約した時間まであと10分弱。Samさんは行ったことのない CHAYA BRASSERIE に向かうと決めた。こうしてこの日のメインイベントは予期せず始まった。Samさん大爆走!
途中車を止め、慌ただしく地図を広げ店に電話をかける。
「ど、どこか他の店でもよいのでは・・・?」
「いや、だいじょーぶ」
しかし大丈夫な雰囲気ではない。とはいえSAM'S TOURでは夕食は最重要項目のひとつでありそこに安易な妥協はないのだ。必死でナビる僕達。ようやくわびすけが地図から曲がるべきポイントを見つけだした。体感時間15分で無事到着。ある意味ユニバーサルスタジオのアトラクションより遥かにスリリングで楽しいドライブだった。これがシボレーのバンでなくSamさんの愛車Alpina B12だったら5分だったかもしれない!?
CHAYA BRASSERIE は地元っ子に大人気のとても雰囲気のいいお店で、料理は和洋折衷のいわゆるアメリカンキュイジーヌ。味も素晴らしかったです。

註1 インターネット黎明期にやはり「ジフ」か「ギフ」かの論争があったのを思い出す.
ちなみにどうでもいいことだがフランスではGIFは「ジフ」,JPEGは「ジーペグ」,もっと言うとメモリは「メモワール」なのだ! あ、脱線してますね.
© Copyright 2000 Kyo ICHIDA All rihgts reserved.
Return   Next Day

SPRING SAM'S TOUR 2000 DIARY