21/6/2006

ワールドカップ、日本対オーストラリア

一緒に観戦したオーストラリア人のお爺さん

一緒に観戦したオーストラリア人のお爺さん.

 

のっけからハプニングでつまずいてしまいましたが気を取り直し、アウトバーンを東へ走ってカイザースラウテルンを目指します。そういえば昔、スピードの出ないポンコツのミニでアウトバーンを走ったなぁと懐かしくなりつつ、早く行くはずがフツーの時間になっていました。
 
カイザースラウテルンに入ると交通規制でスタジアムへの路が封鎖されていました。そういえばFIFAからチケットと一緒に送られて来たガイドブックには「カーナビではなく現地のサインに従って下さい」と書かれてましたっけ。黄色やブルーのサポーターの行列は方々で見かけるもののなかなかスタジアムに近付けず、あちこちで行き方を訊きながらちょうど試合開始1時間前に車椅子ユーザ用の駐車場に到着しました。駐車場は広くてお仲間もたくさん。目の前にはスタジアム。いよいよW杯に来たぁ!と実感。祭りの始まりです。


スタジアム周辺は大勢のサポーターで賑わっています。警備の人に入り口を訊ねると係の笑顔が爽やかな女の子を呼んでくれました。女の子が警備の人にいろいろ尋ねていますがドイツ語なのでさっぱり解りません。ひとしきり話して、
「先ずあなた達のチケットを預かって受付を通してきます。それから専用の入り口へご案内しますね」と笑顔。
「ありがとうございます!」こちらも笑顔。
10分くらい経って彼女が戻ってきて、難しい顔でスタッフの人ととさっきより長く話し合っています。
「すぐ戻ってきます!」と笑顔で走り去ります。
また戻って他のスタッフと話し合い、
「別の受付へチケットを通してきます!」と走りまわる彼女。
暑いのにたいへんだなぁ、申し訳ない…と恐縮するもこちらにも現場の混沌が伝わって焦ってきました。今日がカイザースラウテルンでの最初の試合なのでたぶんいろいろ混乱しているのでしょう。
 
彼女が戻ってきて「こちらの連れの方がいらっしゃり次第通路へ行きましょう!」
その地元ドイツの人とおぼしき車イスのおじさん曰く「車椅子席はピッチのすぐそばだよ、ボールがキャッチできるかもよ!」それはワクワク!
そのとき受付の大行列の中から手を降るおじさんの連れを発見。みんなで移動開始!
通り過ぎそうになる僕達一行は「こっちだよ!」と呼び止められ無事に入り口を発見。何だかんだで小一時間かかったけど奔走してくれてほんとにどうもありがとう!
 
暗い通路を抜けると突然目の前いっぱいに眩いばかりのフィールドと観客席が広がり大歓声と興奮に包まれます。早めに着いたスタジアムで徐々に観客が増えてくるのを眺めるのとは違い、一気に渦巻く熱気の中へ飛び出したようでもう完全に非日常モード!
しかも車椅子スペースはバックスタンドの最前列、ピッチの際です。みんなが立ち上がっても前が見えなくなることはない最高の場所でした。たくさんの車椅子ユーザの中に日本人サポーターももちろん居て声を掛け合いましたが僕の周りはオーストラリア人ばかりです。
隣のお爺さんと「楽しみましょう!」と握手。おばさんは苺をくれました。
ほどなく選手が入場し国歌斉唱、そしてキックオフ!
 
客席はもちろん応援合戦。どちらの国のサポも負けじと声を張り上げます。
普段大声を出し慣れていないのですぐに喉が痛くなりました。
キーパーチャージをとられていたかもしれない日本のゴールを、隣のお爺さんは祝福してくれました。ありがとう…。
でも幸運な先制点も安心をもたらしてはくれません。やはり自分の国の代表の試合観戦、ましてやワールドカップでは、楽しいというのとは違う時間が流れます。
後半になり試合が進むうち、オーストラリアの応援は徐々にトーンダウンしてきていました。隣のお爺さん達も「やはり駄目なのか?」と問いかけるような眼差しで試合を見守っています。そこへ終盤の同点弾。
鬱積していたオーストラリアの歓喜が大爆発しました。
(ああ、またこの展開か…) と思いながら、隣のお爺さんに祝福のお返しをしました。
そして逆転弾…。
このときは一瞬呆然となりましたがシュートシーンがリプレイされると、
「見事なゴールでしたね」とやっとお爺さんに声をかけました。
「ありがとう」とお爺さん。おばさんは飛び上がって喜んでいます。
まだ追いつく時間はある、と叫ぶも3失点目。隣のお爺さんが気遣うようにちらっとこちらを見遣ります。勝負がついた瞬間でした。
「おめでとうございます」
「ありがとう、日本対ドイツの試合を見たときはオーストラリアに勝ち目はないと思ったよ」と慰めのおことば。
オーストラリア人はもちろん大騒ぎです。いいなー、みんな嬉しそうで…。
そう、試合では当然のことですが誰かの喜びは誰かの悲しみ。逆もまた。
うだるような暑さの中、サポーターに向かって深々と頭を垂れる選手たちを呆然と眺めながら今後のことを考えました。
 
その後パリの友人の紹介でarataさんと合流。彼女は茂庭選手を応援するサイトをやっていて、追加招集された茂庭選手のために急遽ドイツ行きを決めたというツワモノ。
一緒にパリへ帰るべく駐車場へ行くと、なぜか日の丸の旗を持ったクロアチア人とおぼしき一団を発見。
「クロアチアのひと?」
皆うんうんと頷きます。
「写真撮っていい?」と訊くと、皆うんうん。
「ニュルンベルグで会いましょう!」と笑って別れました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


6 Responses to “ワールドカップ、日本対オーストラリア”

  1. moriy

    サッカーを観にスタジアムまで行ったことは一度も無いけど、
    やっぱり会場で味合う(しかもW杯!)興奮は格別なんだろうなぁ〜と。
    それとやっぱり他所の国の人との交流は良いなぁ。
    あぁ、旅行に行きたい。
     
    って言うか、
    何故クロアチア人が日の丸の旗を持っていたのかが、凄く気になる(笑)
     

  2. kyo

    僕もF1やMotoGPを現地で観たことはないけど、サーキットって音が凄いし興奮するじゃない?
    たぶんそれと同じだよね。
     
    そう、謎の日の丸クロアチア人。旗はどこかで配っていたのかも?
    後で写真をアップします。(と思ってよく見てみたらお爺さんの向こう側に居た人たちだった)

  3. patra

    昨日のブラジル戦は1点入っただけに残念でしたね〜
    セントルイスの順子さんが君の観戦記を読んでくれたそうです。
    おもしろい・・とお褒めを頂きましたので伝言です。

    フミちゃんとのやりとりが微笑ましかったそうです(笑)

    つづきを楽しみにしています。

  4. kyo

    それはどうも!
    続きはこの週末に書けるかな??

  5. たばた。

    こんにちは。

    アウトバーン疾走のくだりに大笑いしてしまい
    ました。

    スポーツも音楽もドラマも、ライブというのは
    やっぱり、うんと違いますよね。

    すんごい地味な話で恐縮ですが、
    バスケットボールの田臥選手が昨シーズン、
    アメリカの地元チームでプレイしていまして。
    この間のクリスマスに帰ったときに、試合を
    観てきました。
    田舎のちいさ〜な体育館なのに、熱気むんむん。
    観客の興奮ぶりがすごかったです。

    もちろん、熱気にしっかりあてられて、叫びま
    くってきましたとも(笑)

    それがまして、W杯やF1ともなれば、もう、
    とんでもなく、ものすごいでしょうね。

    やっぱ、ライブは大切。

  6. kyo

    たばた。さん、お久しぶりです!
    実は田臥選手の動向が気になってました。
    試合をご覧になったんですね、いいなー!
    ライブはいいですよね。
    本当に地味な話で恐縮ですが、先日の音楽のお祭りの日は雨が降ってしまい、もうやみそうもないから帰ろうと思ったんです。
    そしたらメンバーの奥さんが来たんで、じゃあ彼女のために最後に1曲だけやったら、凄くお客さんが集まってしまい「もっと演れもっと演れ」状態に・・・
    楽器もずぶ濡れでやりにくかったですが結局盛り上がりにまかせて10曲以上やって、いつのまにか雨もやんでました。
    ライブは観るのもいいけど、たまにはやるのもいいなー、と久しぶりに実感しました。(比べられるレベルの話じゃないですが)
    でもドイツに2往復するより疲れました (苦笑)