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何にでも終わりがあるもので楽しかった旅も9日目、ついに帰る日がやってきた。1時間半くらい仮眠をとって起きシャワーを浴びる。この車椅子で入り込めるシャワールームはなかなか良いので将来バリアフリーでなければ暮らせないほど老いぼれたら自宅につけたいと思う。今のところはバリアだらけ住宅でいいんだけど。
ゆうべはSAMさんも朝方4時頃までカジノにいらしたそうだ。そしてこの旅2度目の1600ドルをゲット! 再びネバダ州に490ドルの税金を支払ったそうで、2枚の納税証明書は勝利の証!? それにしても、外国人に対してはカジノの賞金から税を取るなんてシビアな州法。 ほどなくマッカラン空港到着。まだ搭乗まで時間があるのでトイレへ。そういえばこちらでは空港等の公共の場所以外では車椅子マークのトイレを見かけない。普通のトイレでも車椅子が入れる大きさがあるのでわざわざ必要ないのかも。どこへ行くにもトイレに関して心配しなくていいというのは実は凄いことなのだ。 国土の圧倒的な広さも関係が深いと思う。例えば車椅子でも生活しやすくするためにこれだけたっぷりとスペースを割くアプローチは狭い日本では難しそう。 とはいえ、じゃあしょうがないねと諦めるわけにもいかない。ここ数年日本でもバリアフリーやユニバーサルデザインについて語られるようになってはきたものの、ここまで遅れてしまっているのは主に目先のことだけを見て将来のことを考えずに来た社会の体質や、日本の建築家達の責任が大だ。 誰でもいずれ年老いて、身体が効かなくなる。そうなったとき初めて、自分達の作ってきた建物や道具がいかに柔軟性がなく使いにくいものだったか気づく・・・。それは情けない話だし、そんなことをいつまでも繰り返していては人生なんて何回あっても足りない。 これは多かれ少なかれあらゆるジャンルに当てはめて考えることができると思う。力量不足のプログラマが書くソースコードがグロテスクなものになりがちなのは (自分の反省でもあるんだけど) 計画性がなく場当たり的に変更や拡張に対応しようとするからだ。その他にも安易なものがまかり通ってしまう状況を社会全体が許し過ぎてきたように思う。長く通用しないものを適当に作っては後でまた一からやり直す無駄を繰り返すよりも、将来を見据え一本筋の通った基本計画に沿って改良を重ねていけるような先見性を持ちたい。後から道幅を広げるのは大変だし。 話がだいぶ大袈裟な方向にそれたけど、ものを創る人間のはしくれである僕にとっても今後の重要な課題がひとつ見えた気がした。 離陸を待っているうちにいつの間にか眠ってしまい、気がついたら既に雲の上だった。機内食のかたずけが終わって落ち着くのを待ってから、わびすけにお土産CDを配りに行ってもらう。とてもお礼にはならないが、皆さん音楽好きなので好みにあいそうな曲を探しておいたもの。SAMさんにはPat Metheny Groupの"Travels"。このアルバムは僕にとって漠然とアメリカのイメージなので、今回の旅にふさわしいような気がした。(この日記のメニューページは"Travels"のアルバムジャケットのパロディ) 舟橋さんへは同じくPat Metheny Groupの"First Circle"。舟橋さんはユーミンのサイトやライブ中継のお仕事もされているので、ユーミンが敬愛するメセニーに。ロドさんはTOTO等のウェストコースト系がお好きのようなのでSteely Danの"Aja"を。ジェフ・ポーカロは死に方がミュージシャンらしくなくてもったいない。[註1] と思ったら"Aja"にはジェフ・ポーカロが参加していないことに後で気づく。"Gaucho"か"嘘つきケティ"にすればよかった。[註2] 3枚ともベストセラーなので「もう持ってるよ」となるかも知れないと心配だったけど、幸いセーフだった。この後、旅の思い出にひたっているうちに再び爆睡。
車ももちろん自動車窃盗団に連れ去られたりせずちゃんと待っていた。SAMさんを僕の車でお送りすることに。やっぱり車で来てよかった。 SAMさんが左側に座られているので旅の延長のようで違和感を感じない。ただ、僕の車ではちょっと窮屈だったかも。 帰る道すがらいろいろなお話を聞かせていただいたことは旅の最後の忘れられない思い出になった。SAMさんは今後も強い正義感と抜群の行動力で益々ご活躍されることだろう。影ながら応援! まるであしながおじさんのようなSAMさんからプレゼントされたこの旅で、いろいろなヒントをいただいた。自分自身の駄目なところも見えた。初め、そのプレゼントを受け取る資格が自分にあるのだろうか?と戸惑ったのは突然のお伽噺のような展開に、どう恩返ししていいかも判らなかったからだ。SAMさんにとって毎回のこの旅は仲間からパワーをもらったり、発想をリフレッシュするためのものなのだそうだ。きっとそのパワーやヒントを分けてくださりたかったのだと思う。そして生き方についての贈物は空気中を漂うようにこの旅の至る所に充満していた。今後生きて仕事をしていく上でいつの日かSAMさんが「おお!」と喜んでくださるようなものを創る糧にできればいいなと思う。一生無理かも知れないけど・・・せめて呆れられないように気合いを入れねば。 |
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