バリアフリーの最終形?

東京・パリ・ロスのディズニーランドの違い

今日も近くのスターバックスにてスコーンとマフィンで朝食。昨日ほどは残さずにすんだ。だんだん胃がアメリカ仕様になりつつあるのかも!?
カフェラテの泡に虫が不時着。泡で固まった羽を何とかしようとして水をかけるも溺れさせてしまう。
「けっこう惨くない?」と虫が苦手なロドさん。
「本人は助けてるつもりなの」とSamさんのフォロー。
午後からディズニーランドとナッツベリーファームどちらに行きたいかと訊かれ「ディズニーランド!」と即答するわびすけ。その理由はナッツベリーファームには恐ろしいフリーフォールと木製コースターがあるからに他ならない。
昨日に引き続き Internet World 2000 へ。僕がVRML好きと知ってSamさんがリアルタイム3D系のブースを案内してくださる。突然のマイクロソフト会長の来訪に、この間日本にプロモーションに行ったばかりというスタッフが熱心に説明してくれる。 よくよく聞くとフランスの会社だった。次回来日する際には連絡してくれるとのこと。3D空間内にEMBEDで様々なWebオブジェクトを配置できるこのツールはヴァーチャル・ミュージアム等のコンテンツに使えば面白いものが出来るかも。
その他各自各々興味のあるものを見て廻り、集合にはFry'sのトランシーバーが大いに役立った。会場でロドさんの友人二見さんと合流し一緒にディズニーランドへ行くことになった。

まずは軽く昼食をとバーガーキングへ。ジュースがばかデカい。こんなの飲み切んないよ〜と思ったらおかわり自由と知って呆然。
その後ハイウェイをアナハイムへ。カーラジオから今日も"Heart Of Gold"が。DJが好きなのに違いない。シカゴやイーグルス、ザ・フーも毎日かかる。

ほどなくディズニーランドへ到着。駐車場は真に広大で、そこから更にトラムに乗って入り口まで移動する。さすがにこのスケールの駐車場ともなるとハンディキャップトパーキングの数もトラム乗り場周辺に百台分以上用意されており、平日だったけどその半数近く埋まっている。
98年にパリへ出張したとき、ディズニーランド・パリに行く機会があった。このとき印象的だったのがその料金システム。障害者は割り引き料金だが介助者1名は無料なのだ。これはなかなかに良い制度だと思う。[註1]
そして、車椅子の場合長い列に並ばずにほとんど全てのアトラクション [註2] に参加できる。つまり待ち時間がないのだ。これは10年前に一度社員旅行で行った東京ディズニーランドでもそうで、各アトラクションとも車椅子のゲストには係員が1名添いて乗るところまで案内してくれる念の入れようだった。

小ぢんまりとした眠れる森の美女のお城.
ではバリアフリー先進国でありディズニーランド発祥の地である本国アメリカの場合はどうなのか気になるところだ。
また、大袈裟だがひとつの覚悟もあった。それは「コワい乗り物に乗らねばならぬ」というものだ。つまり
1: 僕が車椅子なので混んだアトラクションも皆すぐ乗れる
            ↓
2: こういう時そのくらいしかお役にたてないし
            ↓
3: とはいえ皆さんダンボとかミニーの家で満足するわけないぞ
            ↓
4: ということはジェットコースターとかコワい系の乗り物に乗らねばならぬ
というわけだ。まずは料金はどうか?
「障害者割り引きがあると思うから」と、列に並んでくださっているSamさんのところへ行くようわびすけに頼む。
「べつにいいじゃない、俺達そう思ってないからさー」とロドさんが嬉しいことを言ってくださるも、余分なお金は出させたくないし、本場の料金システムを確認したかったのだ。すると「特に割り引きはない」とのこと。「車椅子でも充分楽しめるということかな」と納得しとにかく入場。入る時に各アトラクションはどの程度の障害なら参加できるか詳しく書かれた専用パンフレットをくれるのはどのディズニーランドも同じ。

ロドさんはけっこうチョウ・ユンファしてます.Samさんによればここのポップコーンは「バターが足りない」とのこと.では僕が!とばかりにポップコーンを食べまくる、という意味不明の行動をとってしまいました (笑).
まずは汽車に乗って一周ということになるも、正面ゲートの駅は車椅子では利用できず次の駅へ向かう。途中ジャングルクルーズに。ボートに乗り込むとき「このほうがが早いから」とSamさんとロドさんに持ち上げて運んでいただき超恐縮!
「40年も経つと、汚れ具合が本モノになってきちゃってるね」とロドさん。たしかに造りもののエイジングは風格あり。
この後 Indiana Jones Adventure に乗ることに。ディズニーランド・パリの Indiana Jones はけっこう怖いジェットコースターだ。しかも一回転するし。[註3]
「だいじょうぶ。ここのは一回転しないよ」とSamさん。
「いつもは小さい子連れてくるからこういうのは乗れないんだよね」と二見さん。ついにこのときが来てしまったかと覚悟する。だが、ここでも意外なことに車椅子ショートカットがないのだ。なんだ、これじゃちっとも貢献できないやと思いつつ30分くらい通路に並んだ。

そう、ここカリフォルニア・ディズニーランドではディズニーランド・パリや東京ディズニーランドとは違いハンディキャップに関する割引や優遇等はいっさいないのだ。障害者も他の人と同じ料金を払い同じように列に並ぶ。これは考え様によってはバリアフリーの最終的な形なのかもしれない。アメリカでは障害を持っていても健常者と同様に社会参加できるようなしくみが確立されてきている。バリアフリーが進んでいけばバリアフリーということば自体透明化していくのと同じように、障害がもはや特別なことでなくなればそこにはあらゆる意味で平等しかないわけで、それは理想的な状態だ。
ただしそれを現実のものとするためには優れたユニバーサルデザインが欠かせない。過度の同情や差別といった精神的な障壁よりも一段の段差の方が物理的に越え難く意識をかつての場所へ引き戻してしまう場合があるからだ。
もっとも個人的には例えばアミューズメントパークのような場所に徹底的なバリアフリーが絶対必要なのかどうか、以前は疑問に思っていた。参加できないアトラクションがあっても無理もないかと。けれども前日ユニバーサルスタジオで見かけた車椅子の女の子は鼻からのチューブが機械に繋がっていたけどとても楽しんでいた。闘病中の息抜きなのだろう彼女のような人たちにこそ、このような施設の意味が増すのかもしれないと気づいた時に、アミューズメントパークに於けるユニバーサルデザインについて改めて考えさせられた。[註4]

ところで Indiana Jones は乗ってみたらディズニーランド・パリのものとは全く別もので、またもや首ガク系アトラクション。今回はロドさんに頭を押さえていただいた (笑)。その後は1時間以上の待ちになってしまうコワい系アトラクションは避けて汽車やマークトゥエイン号などをのどかに楽しむ。池には鴨の親子とかいっぱい住みついていて微笑ましい。トイストーリー2のショーは混んで入れないほどの大人気。夕方メインストリートの広場でアメリカ国歌が演奏され、国旗が降ろされるセレモニーを皆胸に手を当てて見ている様子が印象的だった。

南カリフォルニア最大というショッピングモール「サウスコーストプラザ」へ。ショッピングモールというのは初めてだったんだけど、ロメロの有名なゾンビ映画"Dawn Of The Dead"で立て籠ったのはこういうところかぁ、というのが第一印象。デパートとは違って、アメリカ独特なかんじ。一日中いても飽きずに楽しめそう。金属アレルギーのわびすけはプラスティックと革の腕時計を見つけて喜んでいた。
夕食はモール内のタイ料理店。辛いけど美味しい! ここでもワインはもはやこの旅の定番となっている NAPA VALLEY Cabernet Sauvignon。料理全部よりこのボトル1本の方が高価そうでコワい。
帰路スーパーへ寄り果物、鬚剃り、石鹸等を買い込み分けていただく。わざわざ石鹸を買ったのはホテルの石鹸がいくら濯いでもぬるぬるするからだ。しかし買った石鹸もやはり同じでいつまでもぬるぬるする。こういうのが流行りなのだろうか?と思ったら実はホテルの水がアルカリ性であるためと後に判明。[註5]

ホテルに戻るとル・マンに住む友人Taroからメールが来ていた。Chipも今ロスに居るはずだという。えっ!!ほんとに!?
パリに留学していた時のルームメートだったChipは特別な友だち。彼は東海岸のノースキャロライナに住んでいるはずなので今回の旅の事は知らせていなかった。ホームページは一応持っているけど家にPCがないと言っていたので、読んでくれるといいなーと思いつつホテルの電話番号とかをメールしてから寝た。

註1 ちなみにフランスでは鉄道でも同様に介助者が無料になる割引システム.日本では鉄道等で障害者本人の割引はあるけれど,障害者手帳を提示しなければ摘要されないのでフランスのように外国人まで割引の対象とはならない.
註2 車椅子では参加できないアトラクションもある.
註3 ディズニーランド・パリ(ユーロ・ディズニー)のジェットコースターは東京ディズニーランドと比べると遥かにコワい.ビッグサンダーマウンテンでさえ東京の2〜3倍の長さだしスペースマウンテンにいたってはもうとんでもないくらい別物だ.
註4 シビアに見ればカリフォルニア・ディズニーランドは,その平等精神と施設のサインやサービス等のバランスを考えると疑問もある.あまりにも(平等に)素っ気ないのでけっこう不案内なのだ.けれどそのバリアフリー思想には感銘.
註5 このとき買った石鹸はラスベガスや東京ではちゃんとキュッキュッと洗い流すことができました.
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